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EMOTION感性 NO.1390 R2-1-27 ◆災害に強いタイヤ2020.01.26

NO.1390  令和2-1-27
◆災害に強いタイヤ
タイヤに特別な性能が備わっているとき、そのタイヤを「〇〇に強いタイヤ」とよく表現します。「雨に強いタイヤ」といったら、雨天の路面で、ブレーキを踏んだ時の制動距離が短いタイヤを指します。「偏摩耗に強いタイヤ」であれば、偏摩耗しにくいタイヤという意味です。
タイヤに空気圧補充を確実に行っていれば、すべての溝が均等に摩耗していくので、燃費性能も上がり、位置交換も最小回数で済みます。また、「砂や山道に強いタイヤ」もあります。路面の石や泥(雪)を外にかき出す能力が高く、ゴムの素材を強化して、小石などの異物から受けるダメ-ジを最小限にできますから、キャンプ場などに行く場合は重宝します。

ただ、これらの特性はあくまで「タイヤに何も異常がない時に得られる性能」で、タイヤがパンクした時には機能しません。それならば「パンクにも強いタイヤ」が欲しいところなのですが、現在の製造技術レベルだと、パンク防止性能は、夕イヤの「接地面」に対してのみ機能しています。タイヤ内面にシーリングを使ったものがあり、そのタイヤをクルマに装着すれば、釘貫通しても空気が漏れません。
一方、タイヤの「面」に関しては、「人間にとってのアキレス腱と言われるようにとても弱いです。側面が切れた瞬間に動かなくなり、スペアタイヤが必要になります。

「そうであれば、タイヤの側面さえ強化すればよいのではないか」と考えるものです。特殊なゴム素材を開発して、縁石に当たりやすい部分(タイヤの側面が一番膨らむ部分)に貼って保護すれば、相当なパンク予防効果が期待できるという単純な理論ですが、その期待を大きく膨らませる特殊なゴム素材が今般世界初公開されました。
昨年の「東京モーターショー(T MS)2019」において、トラックタイヤの主要材料でもある天然ゴムと比べ、耐摩耗性亀裂性が5倍以上、耐摩耗性が2.5倍以上、引っ張り強度が1.55倍以上ある『SUSYM(サシム)』と呼ばれる特殊ゴムが発表されたのです。
ゴムは一度切れると復元できませんが、SUSYM製のゴムシートは穴が開いても熱を加えれば塞がります。何よりも驚いたのが、「釘を貫通させない能力」です。釘の先端にゴムシートを当てても、突き破ることはありません。つまり、SUSYM製のゴムシートをタイヤ側面に使えば、縁石によるタイヤバーストはかなり減るはずです。
さらに、ゴムの劣化原因となる紫外線に対しての抵抗力も相当高いようなので、このアイデアが現実になれば、災害後などの荒廃した路面でもバーストしない、「災害に強いタイヤ」が誕生します。このSUSYMを開発した のはブリジストン。技術スタッフの方に思いを伝えてきました。「ぜひ財布に優しい形で現してほしいものです。」

こんなタイヤが出来ているのはすごい、日本の技術が世界のタイヤ業界をリードしているのは聞いています。
やがてどこかの国でも出来るのか・・(余計ですがブリジストン(株)は当社の株主様です)

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