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EMOTION感性 NO.1399 R2-3-30  ◆「直感」は経験と読書で磨かれる2020.03.29

NO.1399  令和2-3-30
◆「直感」は経験と読書で磨かれる
「本」で深い知識・見識を目の前を通りすぎる膨大な情報の海の中から、瞬間的に「これだ!」と一つを選び出す力、あるいは一つの対象を見て、理屈や検証を抜きにして「これはダメ!」と判断する力――「直感」とは、およそこんなイメージでしょう。
ともすれば「霊感」や「第六感」などと同一視されますが、それは違います。あるいは「天賦の才」といったものとも無関係だと思います。直感の鋭さを決めるのは、その分野でどれだけの経験や見識や情報を持っているか、に尽きるのではないでしょうか。
だとすれば、仕事に真剣に打ち込んでいる人ほど、直感も鋭いことになります。これは間違いありません。しかし、仕事“だけ”では思考が凝り固まり、かえって直感を曇らせるおそれもある。同時に、もう少し見聞を広げるような工夫も必要だと思います。

その点、勉強したり情報を得たりするなら、もっとも簡便で有益なのは読書でしょう。今や情報といえば、インターネットをはじめ各種メディアを通じて溢れかえっています。しかし、対象をより掘り下げて理解しようと思えば、やはり昔ながらの本に勝るコンテンツはありません(ただし本の内容にもよりますが)。飛び交う情報に流されそうになる昨今だからこそ、錨を下ろすような読書に価値が生まれるのです。しかも、比較的安価でポータブル。パソコンや携帯電話を見る時間を、もう少し本に割いてもいいのではないでしょうか。そこから得た深い知識・情報が、直感の質まで向上させてくれると思います。

◆「狩猟型読書」のすすめとはいえ、「本をゆっくり読む時間などない」という方もいるかもしれません。ならば、次のような読み方はいかがでしょうか。私は学生時代から、本を丸ごと読み通すという習慣を捨てています。もちろん例外もありますが、基本的には何かについて知りたい、学びたいという目的があって読むので、該当する部分だけ抽出できれば十分、と考えているからです。そこで実践しているのが、いわば「狩猟型 読書」。まず、ざっと全体を“斜め読み”しながら、目的に合いそうなキーワードやキーフレーズを見つけてはボールペンでグルグルと囲んでいきます。とりあえず“捕獲”しておくわけです。
そうすると、グルグル巻きが集中する部分はだいたい数カ所に絞られます。その部分だけあらためて精読すれば、それで読了。

これが、最短時間で最大の情報を引き出す読書法です。実はこの作業で欠かせないのが、まさに「気づく力」。
目的をしっかり持ってアンテナを張り、文脈を類推しながら必要な言葉を拾っていく。求める情報がどこに眠っているかを、いわば野性の感覚で探っていくわけです。これが、単なる“流し読み”とは違うところです。しかも量をこなしてコツを掴めば、作業はより早くなります。多くの本に接すると、新たな興味が湧いて別の本にあたりたくなる。ある程度の知識・情報が蓄積されている分、 直感が働いて“捕獲”の精度はますます上がる。こういう加速度的な好循環を、ぜひ体験していただきたいと思います。実際、忙しい人ほど膨大な読書をこなしているものです。「狩猟型」と名づけているかどうかは別として、きっとこういうピンポイント的な読書を実践しているはず。それだけ 直感力が養われている、ともいえるでしょう。(齋藤 孝氏)
直観力は誰もが持っているのて多く出せるか、あまり出ないか・・出る方が当然得です。

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