社員のページ

EMOTION感性 NO.1455 令和3-5-24  ◆隠れ脳梗塞2021.05.25

NO.1455  令和3-5-24

◆隠れ脳梗塞   医療ジャーナリスト 大谷克弥

命取りになる脳梗塞が特有の症状を表さない状態・・

近ごろテレビや雑誌などで見かけるようになりましたが、正体を見せないので、無症候性脳梗塞とか微小脳梗塞とも呼ばれています。脳梗塞とは脳の血管が細くなったり、脳に血栓ができて詰まったりして、血液が流れにくくなる病気です。血流が止まると酸素や栄養素の補給がストップして、脳の組織が壊死します。

脳の血管がトラブルを起こす病気は総括して脳卒中と言いますが、血管が詰まるのが脳梗塞、血管が破れるのには脳出血とクモ膜下出血の二種類があります。脳卒中はかつて、日本人の死因のずっとトップを占めていました。癌が一位になった現在も年間死者数は約11万人以上で死因の四位に位置しています。

さて脳梗塞は血管の詰まり方によって三つのタイプに分類されます。脳深部にある細い動脈が詰まるラクナ梗塞、頚部や脳表の太い血管に血栓ができるアテローム血栓性脳梗塞、心臓内に形成された血栓が脳の動脈に飛来する心原性脳塞栓症です。

脳梗塞発症の前触れとしては、呂律が回らなくなるほか、急に片方の手足がしびれる、片方の眼が見えなくなる、があります。前兆としてのしびれや麻揮は、どちらか片方の手足や眼に出るのが通常で、両方に出れば脳とは違う病気が多いのです。

もう一つ、まだら認知証という言葉をご存じですか?同じ認知症でもアルツハイマー病とは違い、記憶力は低下しても理解力や判断力は衰えていない症状です。

▲黄信号の「一過性脳虚血発作」

次に脳梗塞と同じ症状が出ても、別の病気があることを追記します。それは手足の麻庫など脳梗塞の症状が起きても24時間以内に自然消失する一過性脳虚血発作(TIA)と呼ばれる病気です。麻輝が消えて治ったように見えても、二日以内に正真正銘の脳梗塞を引き起こす可能性の非常に高い危険な発作ですから、一刻も早く専門医の治療が必要です。前触れを超えて、赤信号の一歩手前の黄信号と言えます。

この発作は頚部から脳内につながる中大脳動脈の領域で70%ほど起きています。そこで「顔、腕、言葉に異変を感じたら即刻、専門医の受診を」と勧告されています。

『安全と健康』を何よりも大切に!ところが実際は、この早期治療が非常に難しいのです。なぜかと言うと、症状は30分以内に消えることが多いので、患者は受診を尻込みし、専門医のいない医療機関は病気ではないと判断するようです。TIAの要因は一に動脈硬化、二に不整脈だそうですから、日常的には血流を良くする食生活が望まれます。肥満にならないよう動物性脂肪を減らして野菜を多くし、運動を欠かさないこと。タバコは厳禁です。高血圧症の方は、緊急時用に専門医の連絡先を複数用意しておきたいですね。

記事の一覧へ

Copyright©広島陸送株式会社 All Rights Reserved