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EMOTION感性 NO.1488 令和4-1-24  ◆渋沢栄一の原点2022.01.23

NO.1488 令和4-1-24

渋沢栄一という原点

筑摩書房「論語と算盤」守屋淳・訳の書き出し!

『会社に出勤するため、いつも通りJRに乗って日経新聞をひらいた。ふと目をやると、参内吊り広告にサッポロビールのうまそうな新製品の宣伝がある。帰りに買って帰ろうと思いながら、お金を下ろすのを忘れていたことに気づき。会社近くのみずほ銀行のATMに寄る。

そういえばもう年末、クリスマスは帝国ホテルで過ごして、初詣は明治神宮にでも行くかなあ。その前に聖路加病院に入院している祖父の見舞いにも行かなくっちゃ…

これは、どこにでも転がっていそうな日常の心象風景のひとコマだが、驚くなかれ、ここに出てくる固有名詞すべての設立に関わった人物が、本書の口述者である渋沢栄一だ。

一般的な知名度は余り高いとはいえないが、実は渋沢栄一とは、近代日本の設計者の一人に数えられる偉人に外ならない。明治維新後、政治の世界でいえば、日本という国の基礎を作り上げたのは、大久保利通、伊藤博文、井上馨といった政府高官たちだった。

一方で渋沢栄一は、日本の実業界、ひいては資本主義の制度を設計した人物だったのだ。

彼が設立に関わった会社は481社とされ(東京商工会議所調べ)、それ以外に5百以上の慈善事業にも関わり、後世、「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれてノーベル平和賞の候補にもなっている。

しかし彼の偉大さはそれだけではなかった。彼は今から百年以上前に、「資本主義」や「実業」が内包していた問題点を見抜き、その中和剤をシステムのなかに織り込もうといたのだ。

もともと「資本主義」や「実業」とは、自分が金持ちになりたいとか、利益を増やしたいという欲望をエンジンとして前に進んでいく面がある。しかし、そのエンジンはしばしば暴走し、大きな惨事を引き起こしていき、日本に大きな傷跡を残した1980年代後半からのバブル景気や、昨今の金融危機など、現代でもこの種の例は枚挙にいとまがない・・・』

新しくお札の顔に選ばれる「渋沢栄一」、昨年NHK大河ドラマで多くが知っているが、改めてその偉大さを知ろう・・そして商いの中に論語(道徳心)がないと長続きはしないと実行しています。

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