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EMOTION感性 NO.1528 令和4-11-14  ◆TPMSのこと2022.11.14

NO.1528  令和4-11-14 
◆TPMSのこと 【TPMSとは自動車のタイヤ空気圧を常時モニタリングするシステムで、問題があれば警告で運転者に知らせる】
欧米で使用されている大型トラックのほとんどは大型のトレーラーです。卜ラックの展示会でも海外からくる車両は大型トレーラーが中心です。後輪を見るとその多くがタイヤ2本分の荷重能力のある、50cm幅の「スーパーシングルタイヤ」を左右に1本ずつ裝着しています。このタイヤは、わずか100kpaの空気圧低下でも、タイヤ側面は甚大な損傷を負います。

ですからタイヤにクギが刺さったら空気が一気に抜け出しすぐ走行不能になります。たとえ微小な空気の漏れであっても、運行を一時中断しなければなりません。
そのため海外の大型トレーラーは、全てのタイヤに空気圧と温度が測定できるTPMS(タイヤ空気圧監装置)が組み込まれています。例えば、タイヤの装着本数が「ヘッド6本+トレーラー8本」であれば、運転席のモニターで14本の空気圧と温度を読み取ることができ、微量の空気漏れに対しては「自動空気充てん装置」が作動します。すべてのタイヤにその装置が備わっているので自然な空気漏れが起きてもドライバーが設定した空気圧値に戻ります。

つまりタイヤの空気圧が常時適正なのです。また、欧米の標準的な空気圧の設定値は、前輪750kpa、後輪700kpaのようです。日本の場合、大型トラックの適正空気圧は前後輪850kpa以上です。空気圧低下のダメージが残りやすい、低床トラック用の19.5インチサイズ(245/70R19.5)などが存在するため、高い空気圧値に設定されています。

海外のトレーラーのように、TPMSや自動空気充てん装置が備わっていれば、国内のトラックも800kpa程度に設定したほうが乗り心地もよく燃費性能も向上します。空車時は850kpaの空気庄は必要ありませんから、TPMSを導入した海外車両の空気調整能力は燃費面でも利点になります。

海外のトレーラーに標準装備されているTPMSは近年日本でも大型トラックへの導入が進んでおり、スーパーシングルタイヤが装備された大型トレーラーにはTPMSが必ず装備されています。一方ダブルタイヤの大型トラックには後輪1本がパンクしても何とか走行できますから、TPMSが広がる気配はありませんが、もう一つの能力「温度測定」に注目した使用事例が出てきました。

夏場の走行ではトラック車体のブレーキ周辺に熱がこもり、車両火災に繋がることがあり、そこでTPMSの温度測定に注目し「火災報知器」として使用しながらトラック輸送の安全に役立てるケースが増えています。(広報トラックより)

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