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EMOTION感性  NO.1289 平成30-1-9 ◆雪道の立ち往生を防ぐ、新しい交通対策に期待 2018.01.09

NO.1289 平成30-1-9

◆雪道の立ち往生を防ぐ、新しい交通対策に期待
積雪した路面を走行中に、突如としてタイヤのスリップが始まり、アクセルを踏み込んでもタイヤが空転するだけの状況に陥ると、よほどのことがない限り、その場所からの移動は困難になります。
片側1車線の道路で、側道に逃げ道がない場所だと、1台のクルマが動けなくなっただけで、後続する車両すべての動きが止まります。
一度発生ざせると大変危険なこの「立ち往生」とそれに伴う渋滞を防ぐため、昨年11月、国土交通省は、積雪時に幹線道路で立ち往生が発生した場合、その原因を作った車両に対し、罰金を科す方向で検討を始めました。

この交通対策はテレビやインターネットなどにおいても大きく報道され、「雪道でチェーンを巻かない車両はすべて違反対象になる」と解釈した人が多くみられました。中には、「スタッドレスタイヤを装着するよりも、夏用タイヤにチェーンを巻いた方が罰金から逃れられる」と早合点した人も少なからずおり、さらに、「スタッドレスタイヤよりも夏用タイヤ+チェーンの方が『安全』なのでは?」という話まで飛び出したほど、この新たな対策の行方に注目が集まっていま克まず。

乗用車に関していえば、「夏用タイヤとチェーン(前輪もしくは後輪)」の組み合わせは、近所への買い物程度にしか通用しないレベルの雪道装備です。仮に、雪が降り始めてからチェーンを装着したとしても、新雪が一気に積もった場所では立ち往生する可能性が高いので、この組み合わせに対しては厳しいペナルティが欲しいところです。
また、トラックに関しても、明確な線引きが必要だと考えます。トラック用タイヤには、浅い雪道は何とか走行できる「オールシーズンタイプ(通称、ミックス)」もありますが、後輪にチェーンを装着しさえすれば安心かというと、全くそうではありません。
氷に対して無力な前へ輪は、雪の下に隠れた凍結路面で確実に滑るので、カーブを曲がる際に大回りになるなどして、反対車線の車列に突っ込む危険性があります。そうなれば、必ず事故による立ち往生が発生します。「チェーンを巻けば、何とか走行できるだろう」という甘い考えは捨てること、一雪道で無茶な運行をさせない規定を設けることが必要です。

最後に、「冬用のスタッドレスタイヤ」についてです。安全性を確保できる指標でもある「ゴムの鮮度が3年目以内、かつタイヤの溝が70%以上」という基準を満たしていれば、チェーンを巻かなくても、たいていの雪道は走行できます。凍結路面や15cm程度までの降雪に対しては、「ある程度のスピードを出すことができ、降雪区間をより短時間で脱出できる」というメリットを考慮すれば、スタッドレスタイヤこそが立ち往生を起こしにくい装備だといえます。
この新しい交通対策は、国交省では今年の冬以降の実施を目指しているとのことで、スタッドレスタイヤの優位点を考慮しながら、安全最優先の形に練り上げられることを期待したいです。
この冬も、こうした喜ばしいニュースがタイヤ業界に続くことを望みます。(トラック広報より)

東日本の積雪ほどではないが、西日本も寒くなる予報、雪道は何が起こるか・・
失敗してからは遅い、交通対策以前に雪道対策をしよう


 

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