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EMOTION感性 NO.1309 平成30-6-4 ◆陸送マンの苦労話2018.06.02

NO.1309 平成30-6-11
◆陸送マンの苦労話
トラックの陸送を専門に行うドライバーから、陸送の過酷な現状を聞いたので、注意喚起の意味で紹介します。それは、タイヤの履き替えが終わったちょうどこの時期に起こりやすく、タイヤの鮮度や種類によって大きな違いがあるという、「ある現象」についてでした。

ある日、仮ナンバーを付けた新車のトラックが入庫しました。特殊な架装により、トラックの車両総重量が増えたので、タイヤの強度を変更する作業を行うためです、その新車のトラックに乗ってきた陸送マンは、エンジンを止め、運転席から降りるなり、すぐトラックの前に立ちました。空の方を眺めては、トラックに近付いたり、ちょっと遠ざかったりしながら、「何か」を確認しているのです。
陸送マンに尋ねてみると、真剣な顔をしながら、いわく「『飛び石』のチェックだよ。万が一、飛び石がフロントガラスに直撃して、傷が入ったら、お客さんに納められない。特にこれから走る高速道路は飛び石だらけだから、命懸けの新車陸送になる」と。

「飛び石」は、走行中のタイヤが引き起こす現象で、タイヤの溝に挟まった石が走行中に取れて空中に飛び出す不可抗力的なものです。タイヤの溝に石が挟まることを、「石噛み(いしかみ)」と呼びます。
砂利道などを走行して、タイヤの溝に石が挟まると、周囲のゴムは傷つき、石の大きさやとがり具合によっては、ゴム下層に張られた金属製ベルトまでも破壊します。放置すれば、タイヤのバーストにも繋がるので、タイヤメーカーも、タイヤの溝に石が極力挟まらないよう、高度な〈石噛み防止技術〉を開発して、防止に努めています。
しかしながら、特にゴムが軟らかいスタッドレスタイヤは、石が挟まりやすく、タイヤの溝幅が太い大型トラック用のスタッドレスタイヤになると、飴玉ほどの大きさの石でもタイヤの溝底に入り込んでしまいます。
困ったことに、スタッドレスタイヤには、ゴムの鮮度が落ちて硬くなると、溝に挟まった石などの異物が外れやすくなる」という特徴があります。「だから、大型トラック用のスタッドレスタイヤを夏場に履きつぶしたいなら、できるだけ石を取り除いてほしい。高速道路に乗るなら、それがマナーだと思う」という誰でした。

また、ブロックタイプの全天候タイヤ(ミックス)も、大きな石が挟まりやすく、砂利道の駐車場を利用するトラックの場合、タイヤの溝底は石だらけになり、飛び石を引き起こす車両になるので、石を取り除くタイヤケアは必要です。マイナスドライバーなどを使えば、簡単に取れる石もありますから、手が届く範囲で行ってほしいです。
前述の陸送マンは、高速道路を走行する際、前方車両の飛び石に当たらないよう、車間距離をたっぷりと取り、さらに、もし飛び石が当たっても被害が最小限になるよう、速度も制限速度に抑えているそうです、そして、「大型トラックにはスタッドレスタイヤの履きつぶし走行が多いことを考慮し、近付かない」とのことでした。そのような分析や運転努力のもとに、トラックは皆様の元へ届けられているのです。
飛び石は困ったものです。取り換えず履きつぶすタイヤに注意!と‥、タイヤ業者からの助言です。まずは車間距離の保持とスピードダウン走行を行うことです。先週の報告で、蒜山トンネル内で落下物によるフロントガラスほかの破損事故という残念な報告がありました。

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