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EMOTION感性 NO.1341 H31-1-28  ◆「三方よし」の経営2019.01.28

NO.1341  H31-1-28
◆「三方よし」の経営
「三方よし」という言葉の始まりは、近江商人の心得を表す言葉として知られるようになってきまたと言われています。
これは「売り手よし、買い手よし、世間よし」というように、商取引は、売買の当事者が共に利益を得るだけでなく社会全体をも利するものでなければならないという考え方です。
近江商人は古くからこうした考えに基づいて活動してきましたが、実は「三方よし」の言葉自体は戦後になってから、近江商人の理念を示す標語として研究者が用いた言葉が広まったものです。

モラロジ―創立者である廣池千九郎の教えの中では、すでに昭和初期から「三方よし」という言葉が使われています。書き残されたものとしては、講義メモの中に「三方に宜し」とあるだけですが、指導の場ではしばしば使われており、教えを受けた人々の間で「三方よし」の教えとして広く知られていました。
この「三方よし」に関する廣池のエピソードとして、

昭和四年、廣池が随行者二人を伴って講演先へ向かう途中の出来事です。トンネル事故で汽車が不通になったため、廣池の一行三名はタクシー運転手と交渉し、目的地まで二十円で乗せてもらう契約をしました。そこへ先を急ぐという人が二人、相乗りを頼みに来ます。すると廣池は、全員で一人五円ずつ出すことを提案し、次のように説きました。
「私は無料で同乗させてあげても差し支えないが、運転手さんは契約と違うから、不愉快な思いをしなければならない。そこであなたたちも少しお金を出せば、その分、運転手さんに多く払うことができ、あなたたちも気軽に乗って行ける。私たちも窮屈な思いはするが五円だけ安くなるので、これで三方いずれもよいことになるでしょう」廣池は「真の道徳とは、自分も相手方も第三者も、皆、平和の心とさせ、幸福になるようにすること」と記しています。
私たちは直接の相手を利することを心がけたとしても、第三者に及ぼす影響にまでは考えが及ばず、周囲に迷惑をかけたり、不快な思いをさせることがあります。この点を自覚し第三者や社会にまで配慮できる視野の広さを持つことが「三方よし」の要諦です。企業の社会的責任が重視される現代において、ますます大切にすべき理念といえるでしょう。

あの伊藤忠商事も採用しているほか多くの会社が目標として掲げています。京セラの盛和塾が掲げている理念にも入っています。Webで見ると数えきれないほど出てきます。あじかんの足利社長も会社の理念に「3方よし」の理念で進むことを掲げておられます。

 

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