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EMOTION感性 NO.1372 R1-9-17 ◆「思考力」を鍛えよう2019.09.17

NO.1372  R1-9-17
◆「思考力」を鍛えよう
子ども時代、夏休みの宿題の定番だった「読書感想文」というと、あまりいい記憶は残っていないかもしれません。計算ドリルなどとは違い、とにかく面倒だったという印象が強いと思います。
「自分の考えを伝える」とは、大人にとってもあらゆるコミュニケーションの基本です。何を聞かれても「よくわかりません」とか「上司に相談します」としか答えられないようでは情けないし、相手も面白くありません。そうならないための訓練の1つが、読書感想文だったわけです。
さすがに大人になると、そんな宿題からは解放されます。しかしそれは同時に、思考力を鈍らせることにもなりかねません。そこでおすすめしたいのが、感想文を書く“つもり”で本を読むこと。そうすると、頭の使い方も違ってきます。

◆『星の王子さま』の世界に身を置いてみると
サン=テグジュペリの『星の王子さま』という世界的に有名な小説があります。サハラ砂漠に不時着したパイロットの「ぼく」は、そこで遠くの小さな星から来た「王子」と出会います。王子によれば、星で一生懸命に育てていたたった一輪のバラのわがままに振り回され、逃げるように旅に出て、いくつかの星を経て地球にたどり着いたとのこと。

しかし地球で無数のバラに出会い、自分の星のバラが無二の存在ではなかったと知って悲しみます。
そこに登場するのがキツネ。気晴らしに「遊ぼう」と誘う王子に対し、キツネは当初、「仲良くなっていないから」と断ります。キツネにとって「仲良くなる」とは、相手をよく知って特別な存在と思えるようになること。王子はキツネとの対話を通じて、星に残してきたバラが自分にとって特別な存在だと気づくのです。
そして別れ際、キツネは王子に向けて「かんじんなことは、目に見えないんだよ」という有名なメッセージを発します。物語はまだ続きますが、ここが一つの山場でしょう。

一見すると子ども向けの童話のようですが、むしろ酸いも甘いも噛み分けた大人のほうが、心に響くかもしれません。自分の人生に当てはめて、共感したり反省したりできるからです。
例えば、自分にとって「バラ」は何か。「キツネ」のような存在はいるか。「かんじんなこと」を見落としていないか。そんなことを考える機会を得られるからこそ、読書は貴重な経験になり得るのです。
「感想文」とまでは言いませんが、せっかく考えたことは、ぜひそのまま本にメモしておくことです。それだけで頭の整理になるし、忘れにくくもなります。後で読み返して思考をさらに深めたり、「これは違うな」と過去の自分に反論したりするのも、また楽しからずや・・です。(斉藤孝氏文より)

私も数年前に読んだ本を再読すると新しい思いに触れます。貴方は最近どんな本を読みましたか?

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