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EMOTION感性 NO.1376 R1-10-15  ◆トラック用タイヤ交換2019.10.15

NO.1376  R1-10-15
◆トラック用タイヤ交換
トラック用タイヤの交換作業をしていると必ずこういう質問を受けます。「このタイヤだと何万キロぐらい走行できるのですか?」。
いわゆる、「耐摩耗性脳」に関する問いです。トラック用タイヤの新商品が発売されたときは、全国の運送会社やバス会社に、その新商品の装着を依頼します。自社の旧商品との比較や、他社タイヤメーカーの同種商品との競合テストなど、様々な比較を行いました。その経験から、私の回答はこうです。

「直径が大きいトラック用タイヤほど、長く走行できます。高速道路の走行がほとんどなら、50万キロMぐらい持つ場合もあります。逆に山間部の走行が多ければ、2万KM程度しか持たなかった、という事例もあります」。
つまり、決め手は「ブレーキを踏む回数なのです。踏む回数が少なければ、アスファルト路面との摩擦が抑えられるので、夕イヤのゴムは摩耗しません。同時に、運転技術の優劣も大きく影響します。平坦な道路しかない都心部の走行でも、これらの条件が重なると、タイヤは長持ちしません。

新車時に装着されているトラックタイヤは、次の交換時に取り替える市販用タイヤよりも溝が浅いです。そのため、発進やブレーキが荒く、タイヤの空気圧点検や位置交換をせずに使い続けると、わずか8千キロ程度で新品のタイヤに交換しなければならなくなるという「会社泣かせ」の事例もあります。
タイヤは、ゴムでできていますから、路面の温度にも左右されます。夏場の場合、走行時間帯が「昼間」か「夜か」の違いで大きな差が出ます。夜間は太陽が出ていませんから、路面温度は低く、走行によるタイヤの発熱も少ないので、タイヤのゴムが消耗しにくい走行環境といえます。

そうなると、「路面が冷やされる雨天の走行であれば、タイヤのゴムは消耗しないのではないか」という、タイヤ作業者を唸らせる質問も出たりします。実はその答えは逆なのです。
走行中のタイヤは、路面と絶えず微少なスリップ現象を繰り返しながら、車両全体を前に移動させています。雨が降って滑りやすい路面なら、スリップは急激に増えます。濡れた路面とはいっても、硬いアスファルトですから、タイヤのゴムは消耗します。溝が消耗するとゴムの消耗速度が一気に速くなるというケースの要因は、まさに雨によるものです。タイヤの溝が浅くなれば、路面の水をかき出す能力も落ち、タイヤが路面から浮きやすくなります。アクセルを踏んでもなかなか加速しませんから、さらに強く踏んでしまうため、雨の日はゆっくり走らないと燃料代がかさむわけです。つまり、タイヤの持ちを良くすれば、燃費も向上する。のです。(トラック広報より)

燃費が良くなる走行をすることは、安全走行をしていることになるので、事故率も減少します。

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